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無人のキャンパス [スタンフォード日記]

今週から大学はほぼ全機能を停止(一部の理工系研究室は稼働)。
唯一開いている図書館(Green)まで,昨日は人手不足か,突然の休館。。往復30分,自転車を漕いだだけの結果に。

研究室のディスプレイなどを自宅に持ち込み,ひたすら執筆作業をしているのですが,刺激が足りない!
ということで,こういうときは作品を。

まずは映画。数ヶ月前から親友に勧められていた,グランド・ブダペスト・ホテル。
圧倒的な映像美。
笑いのかげに差別が描かれている「二面性」を持った映画なので、それはご注意を。けどかなりオススメです。
http://www.foxmovies.jp/gbh/

そして,NHKスペ「消えた子供たち」。
調査報道に協力した,未だに苦しむ被害者,反省して人生を過ごしている関係者。この告発を活かす社会であってほしい。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/1222/

マンガも二つ。
山田参助さんの「あれよ星屑」。

1巻は戦後の荒廃のなかで,元班長と一等兵が再開する場面から。売春婦とアメリカ兵の話がでてくる。

ダワーの名作,「敗北を抱きしめて」にはこういう記述がある。

至るところで、これほどまでに性が征服者と敗者を結びつけていたという事実は、アメリカ人からみたこの敗戦国と敗戦国民のイメージに深い影響を与えた。(略)大挙してやってきたアメリカ人の頭の中では、この敗戦国じたいが女性的だとされてしまった。敵である日本人は、撲滅対象の獣のような人間から、手にとって楽しむ従順な異国の人間へと、驚くほど突然に変貌した。(略)パンパンは、文字どおりそうした人間であった。昨日まで危険で男性的な敵であった日本は、一度のまばたきのうちに、白人の征服者が思い通りにできる素直で女性的な肉体の持ち主へと変身した。


苦しんだ兵隊,慰安婦,国民,虐殺された人々,戦場,または捕虜収容所に倒れた諸外国の兵士。歴史をしっかりと学んだことのない人たちが,戦後日本が大切にしてきた記憶を,力ずくで修正している。

この作品は,それへの警鐘になっていくのだろうか。

なお今週,アメリカでは捕虜を題材にした映画,Unbrokenが公開される。

2巻は戦中,中国戦線での,新兵いじめ,売春,虐殺。五味川純平の人間の条件を思い出させる。
作者の画風が,なんともいえない昭和の雰囲気を作り出している。

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もう1冊は,「健康で文化的な最低限の生活」というそのままのタイトルをもった,柏木ハルコさんの新作。普通の公務員になるべく就職した社会人1年生が,福祉事務所でソーシャルワーカーとして,生活保護を担当する話。徹底的な取材をしていることがわかる佳作。
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091867469