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箱根でのゼミ合宿など [雑感]

紅葉[もみじ]の箱根でゼミ合宿。

雨の強羅で、これまで一ヶ月格闘してきた『決定の本質 第2版』をさらに8時間。そして快晴、小春日和の日曜は、ケーブルカー、ロープウェイ、そして海賊船に。つぎの課題『失敗の本質』に向けて英気を養ってもらいました。2年ゼミも別の日に初コンパ。『神大一勉強していると言われるゼミになろう』と気勢を上げていました。厳しい指導でもついてくる良い学生に囲まれて楽しくやっています。

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今週は国際会議3つ、学務の会議も山のよう。そして金曜午後はスタンフォードのカール・アイケンベリー教授(陸軍中将、アフガン大使)のお供で目黒基地と市ヶ谷で様々な面会。合計☆16個(たとえば海将・空将で星3つ)という、なかなかない1日でした。最後はニュー山王の骨付きリブアイ・ステーキで締めました。

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そういえば火曜のレセプションでお見かけした、ケネディ大使の革ジャン姿がかっこよかったのでシェアします。

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安倍トランプ会談は、『リアリズム』としては大金星。ただアメリカの人々が真にトランプを恐れているのはこの何十年ものアメリカの進歩主義の成果を彼をシンボルとした政治が否定していること。親日派の多く、良識ある人々の気持ちを今回の面会が傷つけていないことを祈ります。
(アメリカでは白人至上主義が言うまでもなく盛り上がってしまっています。)

トランプ外交へのコメントでは、畏敬する先輩、森さんの日経・経済教室が秀逸です。さすがとしか言いようがありません。政権内対立の予測含め、学術的推論も秀逸。マルチとバイの使い分け、ロシア巡る軍との対立など。台湾武器売却のポイントも個人的には注目してます。

おまけ:箱根・大涌谷では今も多くのガスがでていますが、ロープウェイから綺麗にみることができます。人体にはほぼ無害(のはず)です。
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トランプ外交へのコメント(7ヶ月前) [雑感]

そういえば、
4月に「トランプ外交」について、現時点でコメントして欲しいとフォーリン・ポリシー誌から依頼され、答えたものがありました。私のコメントを言い換えたものがタイトルになっているので、少しは役に立ったようです。

当時のブログ
http://ryo78.blog.so-net.ne.jp/2016-04-15

実際に掲載されたもの
http://foreignpolicy.com/2016/04/12/a-vote-for-trump-is-a-vote-for-china/

Removing some or all U.S. troops from Japan and South Korea and weakening the security alliance would reduce the stature of the United States in the region and “satisfy Chinese aims,” said Ryo Sahashi, an associate professor of international relations at Kanagawa University in Yokohama, Japan. Among the many consequences, it would strongly reduce Washington’s ability to talk Beijing down from its aggressive island-building in contested regions of the nearby South China Sea.


(下線部邦訳)日本と韓国から一部または全ての米軍を撤退させ、同盟を弱めることは、アメリカの存在感を弱めるだけなく、『中国の国家目標を満足させる』結果になりかねない

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キッシンジャー氏のインタビュー [雑感]

日曜版の日経には、ヘンリー・キッシンジャー氏の1面インタビューが掲載されています。

十年前はじめてお会いし、1週間つきっきりでアテンドしたとき、様々なことを勉強させて頂いたことを思い出します。

キッシンジャー氏は冒頭、アメリカのおかれた立場を考えれば、国際主義からの離脱はあり得ないことを強調しています。

米国に『新・孤立主義』の選択肢はあり得ない。それは外交政策を知らない人たちの間で流行するロマンチックなファンタジーにすぎない(略)(リベラルな国際主義の)伝統を持ち、確立してきた国々は今後もそれを追い求め続けるべきだ。これが彼らにもしっくりと来るからだ。


さすがに面白いなぁと感じさせるのは、トランプ氏らもリベラル国際主義が自分たちの価値観に共鳴するに違いない、という後段の指摘です。

たしかにトランプ氏も、彼に投票したアメリカの有権者も、アメリカの価値観を信奉しているわけですから。

それを力で押しつけるか(ネオコンやリベラル強硬派)といえば、そうではない、とトランプ氏は思うでしょうし、キッシンジャー氏も軍事介入を戦略的必然にしたがって判断すべき、と最近のアメリカ外交をめぐる論争を皮肉っています。介入主義を修正した上でアメリカの価値観と国際秩序を摺り合わせられるのか、すなわちアメリカの力抜きで世界は安定、さらに正義を実現できるのか、それは実はオバマ政権(通称、オバマドクトリン)をめぐっても展開されてきた問題です。

インタビュー全文を読むことを強くオススメして、ここでは興味深い点をあと2点だけ紹介します。

多くの同盟関係はソ連が大きな脅威だった時代に生まれたものだ。今、新しい時代において脅威の内容は違っている。それだけ取っても、すべての同盟は再考されなければならない。新しい現実に立ち向かうため、前向きな意味で再考すべきだ、ということだ


同盟のポートフォリオをどう組み替えるべきか。これは簡単な問題ではないですが、トランプ・ドクトリンを予想し、それに備える時代の到来だと思います。

またアメリカの同盟国、パートナー国がどのように対応していこうとするのか、私たちは横にめくばせをするように研究・調査を進めるべきでしょう。

米中両国には文化的に大きな違いがあるだけに、それをいかにして成し遂げるのかは最も難しい課題といえる。そこには競争の要素もあるが、共存という重要な要素もある。その双方を心に強く留めておかなければならない


ありがとうございます。私の監訳書のタイトルは『支配への競争』、著書は『共存の模索』といいます

キッシンジャー氏には改めて献本差し上げたいと思います[わーい(嬉しい顔)]

さておき、米中接近をニクソン大統領とともに切り開いたキッシンジャー氏は、最近米中関係を異なる二つの文明と捉え、折り合いをつけるのが難しいかも知れないという文化的視点を強調されています。

氏の『国際秩序』、『中国』という二つの近著では米中協調の方法論も書かれていますが、その根底にある問題意識が面白いと再び感じたところです。

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「トランプ外交」についての資料紹介 [雑感]

なぜ予測がことごとく誤っていたのかなぜスイングステーツをことごとくヒラリーが落としたのか(なぜヒラリーがあそこまで嫌われて500万票以上落としたのか)、というのが政治学者にとって最初の問いであるべきだと思います。アメリカ政治について、民主党、共和党の変容でそれぞれ単著を、さらにビル・クリントンについて新書を出版された津田塾の西川先生の以下の論考は興味深いです。

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さて、外交がどうなるかは全く未知数です。このような報道を信じたい気持ちはなくもない、しかし匿名かつ自称の「トランプ外交顧問」に根拠は全くありません。

選挙当日にJapan Timesからインタビューを受け、三十分話したものが記事になりました。

http://www.japantimes.co.jp/news/2016/11/09/national/politics-diplomacy/trump-policy-asia-remain-unknown-japan/

基地負担の増加だけが対日期待になるのではなく、負担共有から負担シフトの時代が本当に来るのであれば、防衛予算の若干の増額や国際任務への参加にとどまらず、日本の本質的な安保政策見直しが必要になるのかも知れないですね。

その意味では、外交第23号に掲載された、クリストファー・レイン論文(と私の解題)を今読み直すのも思考実験としては興味深いと思います。(Googleですべて読めてしまいます、よいのかどうかはさておき。)後段で記すように、孤立主義への回帰がすぐさま起こるとは思っていませんが、ベクトルは生まれてくるかもしれませんので。

実際にトランプから発信されている演説としては、ニクソンセンター(現在はCenter for National Interest)で行われたものがあります。

近い立場といわれるカリフォルニア大のナバッロ教授とグレイ氏のアジア太平洋政策の論考はこれです。

彼らはレーガンのように力の外交を取り戻す、とか言っていますが、ニクソンセンター演説のように「現実主義」かもしれない。いずれにせよ、ネオコン路線のように民主化推進という路線は予測としてあり得ない気がします。手法として力(パワー)がひとつの鍵になるのは間違いないところです。

しかし、レーガンもニクソンも、アメリカの国際主義は疑わなかった。そこには大きな違いが生まれてくると思います。ファイナンシャル・タイムズのギデオン・ラックマンは以下のように指摘します。

 ケネディのビジョンの寛大さと広大さ、力強さはトランプ氏の宣言――我々の計画は米国が最優先となり、グローバリズムではなくアメリカニズムが信条となる――の狭量な国家主義との悲しいコントラストを描く。この2つのビジョンの違いは計り知れないほど大きく、不吉だ。・・・ケネディ世代は大恐慌と第2次世界大戦から厳しい教訓を学んだ。あの世代は「アメリカ・ファースト(米国第一)」――米国を広い世界の問題から隔絶しようとする政策――が最終的に、経済と政治の大惨事につながったことを知っている。だから1945年以降、共和党、民主党双方の新世代の指導者たちは世界のために経済と安全保障の構造を築いた。


トマス・ライトも、トランプ氏の外交ビジョンの本質を「同盟関係への反対、自由貿易への反対、ロシアなど権威主義体制への支持」と指摘していました。

リベラルな価値観を実現し、そして世界に積極的にかかわろうとする国際主義の衰退。これは1945年以後の世界の根幹を揺るがすことになります。

すぐさま孤立主義に戻るとはいえないにせよ、アメリカの国益を狭く捉え直した上での単独行動主義(ユニラテラリズム)の復活、マルチよりバイでの交渉を好む姿勢などが予測できるのではないでしょうか。

金正恩を交渉できる相手ではないと考えていることが救いでしょうか。北の長距離ミサイル実用化はトランプの政権一期目の間に実現されると考えられていますから、この点では北東アジア諸国と足並みを揃えそうです。(賢明にも鍵とみている中国と、経済圧力が聞かない場合にどのような交渉をして、彼が何を交渉材料にしてしまうのか、という点に懸念は残りますが。AIIBへのアメリカ加盟なんて「簡単」な話でしょう。)

いずれにせよ、トランプ氏が情報機関も、核兵器も抑えるというのは何とも心配であるのは言うまでもありません。議会共和党との関係は未知数ですが、共和党は上下院両院を抑え、極めて強い基盤を持ち得ます。

そして、ジョージワシントン大学のサンダース教授が指摘するように、結局は大統領個人の信念が外交政策に強く反映されることは間違いのですから。

この点に関連して思い出すのは、カーター大統領です。よく知られている在韓米軍撤退構想は大統領個人のイニシアティブだったものの、ありとあらゆる政権高官が食い止めに走り、結局骨抜きにされます。他方、同時期に進んでいた対中国交正常化、そして台湾問題の処理は、すでに台湾に関して国際的関心が下がっていたこともあって、同じ同盟国、北東アジア安保の重要問題であったにもかかわらず、カーターの政策決定への介入がとても強かったのです。その結果何が起きたか。詳しくは拙著『共存の模索』で説明していますが、拙速な交渉のなかで条件を双方納得して詰め切れず、台湾への武器売却にいたっては誤解が国交正常化発表の前日まで残っていました。ウッドコック北京代表はどうせ台湾は自然に中国の手に戻ると(キッシンジャーばりの)発言するわ、鄧小平は納得せずに、あとで蒸し返すと捨て台詞を残すわ、ヒドいものでした。両国のコミュニケも中国語訳に意図的な誤訳を許すなど、アメリカはとにかく失敗しています。しかし、重要なのはこれは大統領の役割が大きい、ブレジンスキー補佐官もその範囲内で目立とうとしていたに過ぎないということです。

さあ、トランプ外交はどうなるのか。「ギングリッチ国務長官」?「アヨッテ(初の女性)国防長官」?「フリン国家安全保障担当大統領補佐官」?よくわかりませんが、大統領を側近たちが止める場合もあれば、それとひき替えに好きにさせるところもある、という教訓はカーター政権から学ぶことが出来そうです。

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アメリカが来年からも変わらず、懐の深いアメリカであることを祈りたいと思います。


学会報告 [雑感]

今週末に行われる、日本国際政治学会の報告ペーパーを個人HPにアップしました。(Dropbox公開フォルダー経由でのダウンロードが始まります。)

下記からもダウンロードできますので、学界およびご関心の方はダウンロードをお願いします。大会HPへは報告後にアップロードされる見込み(19日前後)ですので、ここに公開するとともに、当日は70部ほどペーパーを配布します。

学会報告ペーパー「アメリカは中国の権力をどのように捉えているのか」日本国際政治学会2016年度部会9(兼・公開講座)。

今学期のゼミ [雑感]

後期の始まり、ゼミ教材の選定です。

2年生と3年生。色々考えたのですが、

2年生(今学期から開始)は少し教科書を扱ったあとに、船橋洋一先生の『21世紀地政学入門』にしました。これは今の世界情勢をみるために必要な視角を提供してくれます。さすがだと思います。そのあとに『貧乏人の経済学』の一部や地域紛争の本、日本の安全保障の論文などを少しずつ扱おうかなと思います。

毎週、新聞記事報告というエクササイズもします。これについては、神奈川大のJINDAI STYLEという雑誌のゼミ紹介で書いてもらったことがあるので、もしご関心のある方は今年春の同紙を大学HPから呼んで頂ければ。ビブリオバトルと並び、ゼミ名物としています。

3年生のゼミは、夏休みの宿題として「シンゴジラ」鑑賞。そのあと、瀧野記者による『沈黙の自衛隊』を読み、白樫三四郎「集団の愚かな意志決定」(グループシンク・集団的浅慮に関する論文)を読んだ後に、古典にチャレンジということで、キューバ危機に関する名作『決定の本質』の新訳をやろうと思います。

防衛政策とその政策決定(とくに危機管理)について勉強する、というのが底流に流れるテーマです。

3年生は前期に多様なテーマの新書を読み、アクティブラーニング方式(教授は後ろから見守る)ひたすら議論するということをしました。基礎体力もできてきたので、専門書に挑戦です。

よいゼミになりますように。

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ノースカロライナ大学グリーンズボロ校での講演写真を学生が送ってくれました。o(^-^)
聴衆との距離がある時は歩いて近づく、というクセがよく分かります笑

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恩師たちの出版 [雑感]

お世話になった恩師、恩人を思い出す機会が重なりました。

ICU時代の恩師、栗山先生。昨年4月の逝去から1年少し経ち、病床でも執筆を続けられた原稿を収めた『現代日本外交 軌跡と課題』が先月岩波から刊行。当時教科書だった『日米同盟 漂流からの脱却』もオンデマンドで再刊されました。先週末に外務省OB、現役で縁のある方々、教鞭を執ったICUと早稲田の関係者があつまり、マイクを回しながらの思い出話。ご家族の多くも学んだICUには栗山先生のメモリアルとなる平和研究の賞も設置されました。写真はご家族から分けて頂いた先生のネクタイとご著書、論文です。

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退職後に私の客員先に移られ、様々にご一緒した若宮さんは本年4月に北京で急死されました。昨晩は帝国ホテルにて偲ぶ会。そして遺稿『ドキュメント 北方領土問題の内幕 クレムリン・東京・ワシントン』が配られました。北京の、釣魚台国賓館の大きな演壇に立ち、「日中韓に「同舟新聞」の夢」と題した講演をする直前でした。

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自分は本当に素晴らしい人に教わってきたのだなぁ、と思う一方で、大学教師として、果たして学生に、社会に十分に奉仕できているのかと反省の日々です。

また死の直前まで健筆を振るった、その姿勢にも多くを感じ取りました。

ということで、神大と一橋の学生に「ガツンとくる」ような試験問題をプレゼントして今学期を締めくくりました。

最近は大学での仕事も増える一方ですが、2ヶ月間、ゆっくりと物事を考えていこうと思います。

ラジオでの米中関係の解説 [雑感]

ラジオのスタジオに行ってみたい!というミーハーな気持ちで引き受けてしまい、夜8時からのJ-WAVE、Jam the Worldに出演して、「米中対立の構図:その本質とは何か」という解説を30分近くしてきました。

(実際の放送はこちらで聴けます[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)])
http://youtu.be/5irMRyK_-tI

ちなみに、一番大好きだったのはナック5の玉川美沙さんの番組でした。Nack With You時代がちょうど受験して大学生になるくらい。
スタジオで記念写真を撮って、大きな集音マイクの前でドキドキしながら座ってきました。
(テレビのときにない高揚感( ・∀・)



神奈川大学アジア研究センター [雑感]

勤務先では、3年2ヶ月前にアジア研究センターというものを作りました。私は当初から運営委員をしています。

設立記念の国際シンポに駆け回ったり、新しいオフィスへ移ったりとあっという間の3年余りですが、ようやく形になってきました。

とくに印刷物の「アジア研究レビュー」は充実しているので、ぜひご関心のある方にチェックしてもらいたいと思います。

若宮啓文さんには、生前、設立記念シンポの基調講演、そして昨年の日韓50周年シンポでの座長と繰り返し横浜までお越し頂けました。設立シンポのあとに一緒にすき焼きをつついたのを昨日のことのように思い出します。
若宮啓文「アジアの新時代 日本が問われるもの」(2013.12実施)
http://asia.kanagawa-u.ac.jp/pdf/asia-review/vol01/lecture1.pdf

日韓基本条約50周年シンポ(2015.12実施) 
http://asia.kanagawa-u.ac.jp/pdf/asia-review/vol03/report2.pdf
※若宮さんは第1部の座長。「生の声」を生前許可を頂いて(私が最後に直接お目にかかった際に確認したのです。。。)、掲載してあります。

私の研究グループからは珠玉の2本がでています。昨年でた増田論文はすでに引用多数となっています。玉置論文も出たばかりですが、博論の理論編をうまく切り出しています。

増田 雅之「パワー・トランジッション論と 中国の対米政策 ─「新型大国関係」論の重点移行─」
http://asia.kanagawa-u.ac.jp/pdf/asia-review/vol02/paper4.pdf
玉置 敦彦「同盟概念再考 ─揺れ動く国際情勢と日米同盟」
http://asia.kanagawa-u.ac.jp/pdf/asia-review/vol03/paper7.pdf

今年度から、私たちの研究グループは体制を拡充して、東アジアの安全保障秩序の研究班として出発しました。上記2名に加え、さらに学外から林載桓先生(青山学院)、湯澤武先生(法政)を迎えて、相当に強力なラインナップです。

7月にはロシアのアジア太平洋政策について、とても注目されている研究書の著者をお招きしての公開講演会を実施する予定です。詳しくはまたWebにて。

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スタンフォードとの共催会議 [雑感]

ニューヨークからの帰国後は毎日のように、昼間に横浜と国立(一橋大)で講義、夜に東京で研究会のようなパターン。さらに夜に懇親会など。時差ぼけを感じる暇もありませんでした。

大切な友人の帰国だったり、今後の研究の相談だったり、久しぶりにお目にかかった海外の著名な方であったり、どれもが素晴らしかったのですが、一番大変で、同時に一番充実感のあったものは古巣・スタンフォード大学アジア太平洋研究センターと共催した国際会議です。

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カール・アイケンベリー(元アフガン大使、アフガン司令、陸軍中将)さん、マイケル・アマーコスト(元駐日大使)さんを核として、在日米軍や防衛省に派遣されている軍人、米大使館の面子を含めた20数名のアメリカ人部隊を、自衛官、多くの先輩・安全保障研究者、各省の室長クラスの方々で迎え撃ってもらいました。

このアレンジを、客員先のJCIEのF君と二人で必死に回した日々でした。久しぶりのロジ、という感じです。内容面でも、日米同盟の期待と現実、というタイトルの通り、たとえば同盟調整メカニズム(15ガイドラインで策定)や集団的自衛権をめぐる本質的な批評がでたり、普天間はじめ米軍基地の機能、防衛装備品調達などでも本質的な議論ができました。日米の対中認識のズレなども滲み出ていました。

翌日は、さらにアメリカ側のために会合をセット、締めくくりは石破大臣との議員会館での40分超にわたる議論でした。もちろん内容の詳細は書けませんが、石破先生の話は論理的で、また迫力があり、とても面白いものでした。

一〇年前、私が山本理事長のアシスタントをしていたとき、大きなロジはキッシンジャー博士の訪日同行でした。そのときにも石破先生とキッシンジャー博士の対話を目の当たりにしました。石破氏はそれ以外に面会した議員(多くは外交通で今でも偉そうな顔をしています)との格の違いをみせつけていました。福田元首相(当時は就任前)はさすがに同様に素晴らしかったのですが。

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今回の色々な機会を通じて感じたのは今の日米同盟の評価。おそらく現行憲法、安保条約の範囲内ではほぼ限界まで達成したのではないか。そのような意見に対して、いやまだできるという説を展開する人もいたということ。このあたりはよく考えていくと面白そうです。「平時からの競争」に求められるのは軍事的側面だけではないため、その意味での余地はまだあるのですが、制度としての同盟の中核にある軍事面では私もほぼ現行の枠内の限界という説が正しい気がしています。

これでほんの少しだけ一息を入れて、月末にクアラルンプールのアジア太平洋ラウンドテーブルへ出張です。この会議はマレーシア政府主催で、数百名が集うかなり大きめの会議ですが、今回は中国・朝鮮の代表と三人でパネルを組む、という何とも言えないミッションを帯びての登壇となります。。。

6−7月は出張もなく穏やかな日々を過ごせそうなので(日米でのシミュレーション1回くらいはあるにせよ)、あと一踏ん張り。